観点別評価をどうするか その2

観点別評価をどうするか その1につづき、その2です。様々な資料を探してみます。

国立教育政策研究所の資料

まず観点別評価については、以前示したこともある国立教育政策研究所の資料をみてみます。この資料は読み込むと、とてもわかりやすく書いてあることが
わかります(きっと著者がとても明晰かつ親切な人なのだろうと思いました)。
指導資料・事例集:国立教育政策研究所 National Institute for Educational Policy Research

情報が多々あるので、箇条書きで引用、まとめてみます。

  • 観点別評価の定義(そのまま引用)「観点別学習状況の評価とは、学習指導要領に示す目標に照らして、その実現状況がどのようなものであるかを、観点ごとに評価し、生徒の学習状況を分析的に捉えるものです
  • 3観点(知識・技能、思考・判断・表現、主体的に学習に取り組む態度)は1回の授業ではなく、単元や題材ごとに評価する
  • 「十分満足できる」(A)と言える状況は、生徒が実現している学習の状況が質的な高まりや深まりがある状況である
  • 学習評価は、学校における教育活動に関し、生徒の学習状況を評価するもの。(1)学習成果の確認、(2)教師の指導改善、(3)生徒自身の学習の振り返りの3つに留意する
  • 「知識・技能」の評価例:ペーパーテスト「事実的な知識の習得を問う問題」「知識の概念的な理解を問う問題」をバランスよく出す。また、文章による説明、観察・実験、式やグラフでの表現など実際に知識や技能を用いる場面を設ける。
  • 「思考・判断・表現」の評価例:ペーパーテスト、論述やレポート、発表、話合い、作品制作、ポートフォリオ
  • 「主体的に学習に取り組む態度」の評価例:ノートやレポート等の記述、授業中の発言、行動観察や、生徒の自己評価や相互評価等。ただし、生徒の発達段階や個性を考慮して、「知識・技能」や「思考・判断・表現」の観点の状況を踏まえて評価する。
  • 大学入学者選抜において用いられる調査書を見直す際には,観点別学習状況の評価について記載する

最後の「主体的に学習に取り組む態度」については、以下の図より、粘り強さ(=実際の取組)と計画性(途中での調整含む)の2点から評価することが推測されます。

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主体的に学習に取り組む態度

以上が、国立教育政策研究所の資料ですが、「観点別評価をどうするか その1」で示した約80%の高校が「定期テストに加え、平常点を加味して、評価を行っている」(平成30年)という状況を考えるに、以下の改善が必要になるのではないかと思われます。

  1. ペーパーテストの改善:知識・技能を直接問う問題だけでなく、知識・技能があって解ける問題を工夫する。また、問題ごとに「知識・技能」「思考・判断・表現」のどちらを問うているのか明確にする。
  2. パフォーマンス評価の工夫:論述やレポート、発表、話合い、作品制作、それらをまとめたポートフォリオでの評価が必要になる。時間がかかることが予想される項目もあるので、どの単元・題材で行うのか年間計画が必要。ルーブリックと評価の手順を生徒に示すことができるように事前準備も必要。
  3. 計画・実践の評価:「主体的に学習に取り組む態度」では、粘り強さと自己調整力の2点から評価できる。私見だが、実際には単元の学習活動について具体的な学習計画を生徒が作り(何月何日に何を学ぶ等)、実際に学習計画にしたがった学習の成果やその提出等で評価可能だ。自己調整力としては、(1)個人内での調整(計画変更)、(2)他者との調整(先生や友達に支援を求める)の2点が考えられる。ちなみに粘り強さとされる「GRIT」は将来の成功の是非に非常に関わるとされる項目である。

以上が、上記の書類から読み取れることです。繰り返しますが、3観点の評価については、年間計画を定め、どの単元でどの資質・能力をどう育成し、どう評価するかという点を定める必要があります。

「観点別学習状況の評価」実施の手引き(大阪府

年間計画やシラバスについては、大阪府がまとめている文書『「観点別学習状況の評価」実施の手引き』にかなり具体的に出ているので、参考になります。実際の各教科・科目のシラバスの作成例等が載っています。平成28年のものなので、4観点で掲載されていますが、3観点で作る際にも参考になると思います(ただし、評定をどう計算するか等は載っていません)。

評定をどうするか

観点別評価を行った際に、やはり高校現場としては、評定平均等がどうなるかが気になります。検索したところ、下記の資料が参考になります。

まずはこれ。平成31年1月に出された「児童生徒の学習評価の在り方について(報告)」です。この本文のp.19に「観点別学習状況の評価と評定の取扱いについて」という項目があります。
www.mext.go.jp

それからこれです。
教育課程部会 高等学校部会(第4回) 配付資料:文部科学省

この「資料1-2 高等学校における学習評価に関する参考資料(2)」に以下の図表があります。

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資料1-2 高等学校における学習評価に関する参考資料(2)

これを見てみても、やはり観点別評価をもとに評定を定めることが想定されています。また、前述の国立教育政策研究所の資料にも以下の図表があります。

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国立教育政策研究所の資料

これもまた、3観点をもとに評定を出すように定めています。次回は、評定の出し方について、中学校のやり方を確認し、高校のやり方を考察してみます。
今日はこんなところです。さりゅー。