テスト問題作成について

昨年度、作成したものを忘備録として公開します。上山先生の本(以下上山本)などで学んだことが多いです。感謝です。ぜひ参考本をご参照ください。

1 はじめに

期末考査や実力考査などは、生徒がとても大事にするものです。当然考査問題には我々教員の普段の指導が反映されますし、また逆に考査の出題傾向が授業に反映されます。丁寧に作っていきましょう。

2 参考となる書籍等

問題を作成する前に、テストについての様々な基礎知識が必要です。以下の本が参考になると思うので、ぜひお読みください。

特に上記の1番目から3番目を読むとテスト設計から考える良いヒントとなると思います。

3 発問に関して

特に読むこと(リーディング)についてどのような問題例が考えられるかと問われることが多いのですが、上記の書籍(特に高等学校英語教員のための定期テスト作成簡易マニュアルはわかりやすいと思います)や、センター試験「筆記」や大学入試の過去問を解いてみることが早道だと思います。なお大学入試の過去問については、旺文社の教員用冊子Argumentに長く連載されている「〇〇年入試 長文読解〈良文+良問〉問題 ベスト・セレクト 勝手に20題!」が参考になります。例えば、2019年春の入試であれば、大阪大学「人間の問題解決の仕方」島根大学人工知能の進歩に必須の因果関係を読む能力」一橋大学アメリカにおける家の強制退去と貧困問題」上智大学「便利な最新科学技術がもたらす副産物」などが良問として挙げられています(ちなみに、この表をiPhoneExcelアプリで撮影すると、自動的にExcelの表に変えてくれます。世の中は便利になっています)。なお、最近10年間のものを全て確認していますが、数年前にどうしても冊子が見つからないとき、旺文社に電話したらすぐにFAXしてもらえました。とても親切な対応していただいたと思います。

また、本格的に発問について勉強されたい方は、田中本3冊がとても参考になります(田中武夫先生は、本当に良い先生です)。

個人的には、2冊目が気に入っています。

4 テスト作成前に行うこと

さて、テスト作成に入っていきます。テスト作成前に行うことは、次のことです。

  1. テスト範囲の決定とテスト細目等の決定
  2. テスト作成スケジュールの確認
  3. フォーマットの共有

4.1 テスト範囲の決定とテスト細目等の決定

まず、テスト範囲とテスト細目等の決定を行う必要があります。テスト範囲を決めている例はよく見ますが、テスト細目を決めていない例が多い感じがします。テスト細目を決めずにテストを作ると、様々な問題が発生します。

まず一般的なテスト範囲例です。

f:id:karishima:20200209113630p:plain
テスト範囲の例

しかしこれでは、教員側としてはCan-do項目、4技能、との結びつきや、外国語理解の能力、表現の能力、言語・文化の知識理解、コミュニケーションへの関心・意欲・態度という評価の観点との結びつきが不明です。また、どの項目が何点か明示されておらず、意図せず偏った問題を出す可能性もあります。また、生徒も何を中心に勉強すれば良いか漠然と分かっても、実際にはどれに力を入れて、あるいは何をどう勉強すればよいかよくわからない場合があります。以上のことから、テスト細目を定める方がメリットが大きいと感じています。特に2022年度からは、観点別評価が導入されますので、年間計画上で示された「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」のどれを定期考査で測っているのかしっかり計画する必要がでてきます。

そのため、テスト範囲については、教師間でテスト細目を共有することが大事になります。テスト細目は『実例でわかる 英語テスト作成ガイド』を参考にして作ると下記のように示すことができます。
f:id:karishima:20200210045853p:plain

さらに、上山先生の本では、テスト細目作成後に、生徒に範囲を示す場合の例が載っています。「作る人が書くのだから百発百中!! 何をどう勉強すればいいかガイド」的なプリントです。例えば上記であれば、大問6は「書くこと」で和文英訳と書いていますが、生徒に示すときは、「〇〇の何ページに載っている文法事項を使って解く問題。教科書のその箇所を音読筆写し、さらに余裕があれば辞書などで同じ項目の例文を探そう!」などと書くと、生徒が何をどう勉強して良いか、ぐっとわかりやすく示すことができます。詳しくは、上山本をぜひご覧ください。

4.1.1 Can-doなどとのリンク

上記に示したのは「範囲」ですが、具体的なCan-do項目と結びつけることも可能です。これは、『実例でわかる 英語テスト作成ガイド』にも示してあります。学習指導要領の中の文言と結びつけてもいいかもしれません。例えば大問1の「聞くこと」については、「遅めではっきりと話した短い会話を聞いて、概要と詳細を理解できる」と書けば、さらに出題のねらいがはっきりします。

また、「高等学校英語教員のための定期テスト作成簡易マニュアル」でも「聞くこと」「書くこと」など、技能別に以下のように出題例が載っています。この表を見ながら、どのような出題形式にするか考えることもできます。
f:id:karishima:20200210050944p:plain

4.2 テスト作成スケジュールの確認

テストを作成するには、時間がかかります。以下のような工程表を係は作成し、皆で共有する必要があります。
f:id:karishima:20200210051100p:plain

4.3 フォーマットの共有

テストを複数の人で作る場合もあると思います。そのときは、原稿作成要領と同じように、しっかりとフォーマットを作ってからでないと、まとめる係の先生が苦労します。以下のような例を共有するといいと思います。
f:id:karishima:20200210051448p:plain

また、上記のフォーマット例と合わせて下のような共有すべき決まりがあると、なお分かりやすいと思います。

  • 大問の指示はMSゴシック11pt。全角で大問の番号を書き、四角で囲む。また指示の最初には【聞くこと】【論説】【書くこと】など何を問う問題か明記する。
  • 小問は原則(1)(2)(3)と半角かっこの中に半角数字。小問に2つ問題があるときは、(1a)(1b)などとする。
  • 小問番号と下線部は原則同じ数字にする。例えば「(5)下線部4を日本語にせよ。」などとしないように工夫する。
  • 空欄は(5)なら( 5a )( 5b )などとする。分かりやすいように、中の文字はゴシックのBold。かっこは半角centuryとする。
  • 選択肢の記号は原則カタカナで「アイウエ」とする。かっこや記号の後のピリオドはつけない。ゴシック太字で記号だということを明示する(生徒が(ア)などとカッコをつけたり、◯で囲んだりするのを防ぐため)。
  • 行番号は必ずつける。縦長のテキストボックスで、fontはTahoma 7.5ptで右揃えにする。

今日はこんなところです。さりゅ。

※2月11日に一部修正しました。