高校生に聞きたいチコちゃん的質問 2019年編

高校生に聞くと、意外と知らない小ネタを書いていきます。(随時更新)

 

- なぜeleven、twelveだけ、−teenではないのか?

a compound of *ain "one" (see one) + from PIE root *leikw- "to leave."

--- https://www.etymonline.com/word/eleven

と言うわけで、eleven, twelveはone left, two leftという意味である。「指で数えたら、1余ったねー」的な単語。ここまで話すと、次はthirteenはなんで「3余ったね」じゃないの?という質問がくる。

13: Not an unlucky number in medieval England, but associated rather with the customary "extra item" (as in baker's dozen). Superstitions began with association with the Last Supper...

--- https://www.etymonline.com/search?q=thirteen

ちなみに時間にminute, secondとあるが、なぜsecondでfirstやthirdはないのか。"secunda pars minuta "second diminished part"の短縮形。minuteは"pars minuta prima "first small part" "で真ん中のminutaが残った。このminuteは「微小」を表すmaɪnjúːtに意味を残している。

 

ちなみにsecondは昔はotherを用いられていたが、other「他の」と紛らわしくなったので、secondが使われ始めた。The otherなどはその名残。スカンジナビア半島などの言語では(デンマーク語など)、2階のことをsecond floor と言わず、other floorと言う(anden)。the other dayはthe second day = tomorrowであったが、yesterdayと意味が代わり、現在のa few days agoとなった。oneとthe otherではなく、oneとsecondだったら、もう少しわかりやすかったかもしれない。

 

いかん、これ止まらないので、この辺でおわり。

 

- 日本語にサイレントレターはあるか?

knowのkのように読まない文字は英語ではたくさんある(Old/Middle英語では音にしていた。現在のoftenのtのように)。では日本語に黙字はあるか。答えはある。和泉、伊達などがそうだ。「和」「伊」はなくても良いが、中国の地名が2文字であることに倣う法令(二字佳名の詔, 713)があり、現在の表記になったと言われている(縁起の良い漢字に変わった事例もあり。木-紀伊)。鹿児島の頴娃も、「娃」は読まない。なお、お茶の伊右衛門の「右」も読まないが、これはWE-YE-Eと消失したと言われている。右衛門、左衛門はもともとは官名だが、「右」は音が消失し、「左」は音が消失していないのもおもしろい。cf.ドラえもん vs ぶりぶりざえもん。

 

- 「何ヶ国語話せますか?」の英訳は “How many languages do you speak?”か?

日本語の「何ヶ国語話せますか?」はやばい。英語を話せると少なくとも約20の国の言葉を話せることになる。 

---https://www.sheffield.ac.uk/international/english-speaking-countries

「何ヶ国語」という言葉の後ろには、「一つの国は一つの言語」的なunconcious biasが入っている気もする。インドや中国、アメリカなど大きな国になると、人々が使う言語が複数になるケースもある。言語の強さは経済の強さも影響することが様々なところで指摘されているが、気をつけたい。

ということで「何ヶ国語話せますか?」の英訳は “How many languages do you speak?”か?の答えはtemporalily Yesだが、答えは異なる。