ダミーか錯乱肢か。

テストの錯乱肢は「3つでいい」と何度も会議で発言していますが、本意が分かってもらえてないかもなーと感じているので、revisitです。

個人的に大きな衝撃を受けた発表からすでに15年ほどたっていると思いますが、静先生が学会で発表されています。
2006_LT(final).pdf

テストの選択肢は4つ必要なく、3つでいいという論文です。日本語でも書かれていますので、長くなりますが、引用します。

それでは錯乱肢はいくつ必要であろうか。現在の標準テストではほとんどが、正答1+錯乱肢3の4選択肢形式をとっている。しかし今日までの実証研究の結果をみてみるとほぼすべてが実は正答1+錯乱肢2の3選択肢形式の有効性を示しているのである(Haladyna & Downing 1994など)。見かけ上は4つの選択肢があるように見えてもそのうちの1つはほとんど誰にも選ばれず、実質上は存在しないのと同じということが多いのだ。つまり

●選択肢は3つで十分

なのである。
 「でたらめにやっても33%は当たってしまう」というのがよく聞かれる懸念だが、次の理由でその心配は無用である。

(1)2選択肢でも5選択肢でも、十分な数の問題があれば、能力の低い者の正答数は能力の高い者の正答数より小さくなる。
(2)時間が十分にある状況では、でたらめな選択をする者は非常に少ない。
(3)見かけ上の正答数が高くなるのが不満なら、33%分の得点を全員から減点する、という方法もある。(不要な操作であるが。
出典:056 testmon - Zuke's Home Page

英語論文にもあるとおり、数学的にも、論理的にもしっかりとした錯乱肢を作れば、3つで十分です。あとこれで、錯乱肢に残る問題は、「錯乱肢と呼ぶべきか、ダミーと呼ぶべきか」問題だけですね(^^; ちょっとしたrevisitでした。

今日はこんなところです。さりゅー。