共通テストの英語のRとLの比率について

旺文社に続いて、朝日新聞も共通テストにおける英語のリーディング(R)とリスニング(L)の比率についての記事を出しています。

そこで、実際にリーディングとリスニングの点数によってどのように英語の点数が変わるのか見てみました。

まず、素点と比率によってどのように英語の点数がなるのかという一覧表です。リーディングが80点でリスニングが50点のときを比べてみると、R:L=4:1のときは148点、3:1のときは145点、1:1は130点となっています。ちなみにリーディングが50点でリスニングが80点だと、R:L=4:1が112点、3:1が115点、1:1が130点となっています。

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一覧表

共通テストの平成30年試行調査の結果(p.7)では、リーディングの平均点が56.37点、リスニングが59.09と出ていますので、仮にリーディングが56点で、リスニングが59点だった時に、各大学ではどのような点数になるのか検証します。また同時に、リーディングが7割とれて、リスニングが5割だったとき、同時にリーディングが5割でリスニングが7割得点できた場合を比べてみます。

大阪大学の場合(R:L=4:1)

大阪大学では、リーディングとリスニングは4:1の比率と発表されているのでR56点、L59点なら、合計113点となります。仮に3:1なら114点, 1:1なら115点です。パスナビで大阪大学文学部前期試験のセンターの点数の配分を確認してみます。なお、配点については文学部では一般選抜も変更なしとされています。すると英語は250点中50点なので、200点を50点換算、つまり25%に圧縮です。計算すると113x0.25=約28点になります。同じように、【R70, L50】の場合と、【R50, L70】の場合も計算してみます。RとLの合計点は同じ120点でも,どちらがよりできたかにより,33-27=5点変わってきます。

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大阪大学文学部の場合

鹿児島大学の場合(R:L=4:1)※医学部は3:1です。

では、次に鹿児島大学です。鹿児島大学大阪大学と同じようにR:L=4:1です。鹿児島大学もR56, L59なら同じように113点となります。法文学部の前期試験でみてみます。パスナビ情報によると、600点中150点が外国語の配点です。変更がないものとして、計算してみます。200点を150点に換算なので、75%に圧縮です。上と同じように(R70, L50)の場合と、(R50, L70)の場合も計算してみます。こうみると、平均点ぐらい(6割程度)を取るとそんなに差はないですが、リーディングよりもリスニングができた場合は不利になりそうです。リーディングとリスニングのどちらが7割できたかで素点で132-108=24点の差がでます。かなり大きな差という気がします。

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鹿児島大学法学部の場合

なお、鹿児島は地元の大学ですので、昨年度の合格者の得点分布をデータネットでみてみます。鹿児島大学受験者の過去の度数分布はこちらでみることができます。なお、リーディングとリスニングの合計点はたとえ同じ120点であっても、【R70, L50】【R50, L70】の場合で換算点がそれぞれ99点、81点になります。つまり、換算点でも99-81=18点の差が出るので、昨年度の合格者の得点分布をデータネットでみる限りでは,かなり合否に関わると感じました。

広島大学の場合

広島大学は、北海道大学と同じように1:1としています。広島大学文学部の前期試験では、センター試験1100点満点中英語は200点です。これも変更がないものとして、計算します。1:1なので、リーディングとリスニングのどちらができようが差がないことがよくわかります。

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広島大学の場合

まとめ

今までは配点が筆記200点、リスニング50点だったので、4:1となることは当たり前でしたが、今後は両方とも素点は100点満点です。リーディングとリスニングの両方のテストを合計したら120点なのに、どちらを何点得点したかにより、200点満点でどうしてこのような差がでるのか生徒が質問しそうです。時間が80分と30分と違いがあるとはいっても、4:1あるいは3:1になるのは何故なのか、各大学が受験生の納得のいく説明を出さないといけないだろうと感じます(数学では70分と60分とテスト時間に差はあっても同じ点数です)。我々教師は今までの経緯を知っていますが,その年の受験生には関係ないことです。
またちょっと古いですが、コミュニケーション上、リスニングは45%を占めるとの記述もあります(我々の起きている時間の80%はコミュニケーションに使用されており、その中で16%を読むことに、30%を話すことに、9%を書くことに使っています)。
このような状況で、大学が各自RとLの比率を決めますが、とりあえず高校現場としては,鹿児島大学のように、共通テストと2次試験の合計点の中で共通テストの割合が高く、比率によって生徒の合否に影響がありそうな大学には注意すべきだと感じました。

A recent study has found that many of us actually spend up to 80-percent of our day engaged in some form of communication. Of this time, we spend approximately, 9-percent of the day writing, 16-percent reading, 30-percent speaking, and a whopping 45-percent listening. Although listening is actually the most commonly used communication skill, it is also the skill that is most neglected or forgotten about. (Listening: Improving the Most Used Communication Skill)