学力差への対応(授業の悩みシリーズ1)

こんにちは。仕事柄、先生方の研修によく参加します。現在授業の悩みは何でしょうか?という問いについては、割と共通した項目があがってくることが多いようです。そのような悩みについて、自分だったらどんな風に考えて授業をしていくか、書いていきたいと思います。

今回は、まず「学力差への対応」です。具体的には、「二極化が進んでいるので、どう対応するか悩んでいます」「英語が苦手な生徒にどう指導すればいいでしょうか」「得意な生徒が暇そうにしているときもあります」などについてどう考えていくか、です。

内容は、
1.良い教え方をしよう。
2.言語活動のデザインを見直してみよう。
3.支援について考えよう。

の3本です(サザエさん?)。

良い教え方をしよう。

ちょっとドキっとする言葉を引用します。

低学力の学校であると判断された場合に決まって採用される方法は、知識中心の学習方法をより厳密に推し進めることである。主体性を重視したアクティブ・ラーニングの方法が採用されることはまずない。
「退屈な授業をぶっとばせ!学びに熱中する教室」マーサ・ラッシュ(2020)新評論

これ、ドキっとしませんか? 例えば、補習の場合はどうでしょうか。「この子たちは、知識が足りないから!」と思い、詰め込み学習に近い、機械的なドリルをしたりしませんか。でもそれって、実は役に立ってない場合が多いんですよね。英単語を20回書いて覚えなさい!という指示を出しても「ええっ、なんで」「疲れるし!」と全然定着に繋がらなかったりします。例えそれをICTを活用して(見かけ上楽しい感じで)行っても、結局は結果が伴わないことも多い気がします。

上記の本に、次の表が載っていました(簡素化してありますが、本の方はもっと詳しく書いてあり、わかりやすいです!)。すごく参考になります。

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教え方と生徒の動機のマトリックス

この表の1番下をみると、学習意欲が低めで、すぐに諦めてしまう生徒は、教え方が「普通」「退屈」だとうまく行かないことを示しています。そりゃ、そうですよね。学習意欲が低めなのですから。だからこそ、生徒には興味が出る言語活動を与えて、その活動をやっているうちに知らず知らずのうちに引き込み、そして、その基礎となる知識・技能に何度も繰り返して触れさせるうちに学ばせる方法を取る必要がでてきます。

この表を見たときに、知らず知らずのうちに自分の中に「まずは基礎学力を定着させるために、練習を!」という面白くない教え方を導く固定観念を持っていることに気付き、ショックを受けました。しかし、この表を見れば、どの生徒にも興味深く、やる気を出す方法が大事だということがすっきりと分かります。この本の第1章にこのことが丁寧に説明されているので、もし興味があったらお読みください。

              ☆

では、どうやったら、「興味深く、やる気を引き出す教え方」ができるのでしょうか。英語の場合は、言語活動のデザインを見直すことが早道だと思います。

言語活動のデザインを見直す

では、言語活動について振り返ってみましょう。外国語の新学習指導要領の目標では、小中高共通して、言語活動を通して資質・能力の育成を図るとされています。そのため、授業における言語活動をどうするかという点が大事になってきます。言語活動とはなんでしょうか。文部科学省の文書では、以下のように述べられています。

言語活動は,言語材料について理解したり練習したりするための指導と区別されている実際に英語を使用して互いの考えや気持ちを伝え合うという言語活動の中では,情報を整理しながら考えなどを形成するといった「思考力,判断力,表現力等」が活用されると同時に,英語に関する「知識及び技能」が活用される。(文部科学省「外国語活動・外国語研修ガイドブック」)

この言語活動を設計する、つまりデザインするときに気をつけるべきポイントがあるんですよね。説明していきます。

デザインの際に気をつけること

言語活動を設計する際に気をつけることがいくつかあります。まずはここを気をつけましょうというポイントですね。簡単に言えば、コミュニケーションの目的や場面、状況を明確にすることですが、少し分析的に考えてみます。

  1. 誰に対して何のためのコミュニケーションなのか(目的)。
  2. いつ、どこでそのコミュニケーションは行われるのか(場面、状況)。
  3. どのように言語材料を提示すべきか(言語材料の提示の工夫)。

1つずつ説明します。

誰に対して何のためのコミュニケーションなのか(目的)。

最初は、目的についてです。誰に対してコミュニケーションを図るのか、なぜ英語で話す必要があるのかという点は、なんでもないように見えて、生徒のモチベーションを上げるために大事な項目なんです。ここに配慮して活動を計画しても、割と当たり前のことなので意識はされないんですが、活動をデザインする上では大事になります。例えば、最近よく使われている指導法としてリテリングがあります。いい活動ですよね。簡単に言えば、教科書の内容をもとに、内容を自分の英語で言ってみる活動です。でもこの活動が「活きてくる」ためには、ただ「Part 3の内容をリテリングしてみよう!」と言っても、それは練習であって、生徒たちには、何のためにリテリングをするのかよく分からないのです。

改善案

このリテリングを次のように指示してみるとどうでしょうか。「これから、みなさんは台湾の生徒とオンラインで交流します。自分たちが学んだlesson5と同じように、台湾の生徒たちも環境問題について学んでおり、みなさんの意見に興味を持っています。まず学んだlesson5の内容を簡単に紹介したあとに、その内容について考えたことを述べてください。全部あわせて10分程度で説明してくれると助かります」などとすると、なぜリテリングをするのか分かりますし、もしその時上手くいかなかったら「今後のためにこのLessonでもリテリングの練習をしよう!」と練習の意義がハッキリしてきます。このように誰に対してなぜその言語活動をするのかということを明確化すると、生徒が取り組みやすくなります。

いつ、どこでそのコミュニケーションは行われるのか(場面、状況)。

目的の次は場面、状況ですね。先程の台湾の生徒との交流についても、「いつどこで」は大切になります。なぜなら、粘り強く自己調整しながら言語活動に取り組むのに必要なことだからです。例えば、先程の台湾の生徒との交流が明日だとします。「明日だから、今日中に準備だ!」そんなことでは、生徒はキレますね(笑)。でもこれを3週間後に設定すれば、自然と生徒たちが自分で計画を立てて取り組む活動になります。生徒も流石に練習は必要だと思うだろうし、原稿も作りたいと思うかもしれないですよね。プレゼンということにすれば、スライドの作成時間も必要です。それを踏まえて計画を立てさせて、途中で一回本番同然でやらせて振り返りの時間を取れば、自己調整もできるようになってきます。
実はこの計画を立てさせる段階で、さまざまな選択が生徒には与えられます。選択権があると段々と活動が「自分ごと」になり、やる気が生まれてくるんです。計画も自分で立てたものだから、ガンバらなくちゃなという気持ちが生まれやすくなります。で、さらに途中で、うまく行ってないことを取り上げて授業でコツを教えてあげると、不思議と先生が「いい人」になるという訳です(^^)/

改善案

改善案としては、上に挙げたとおり、3週間後や1ヶ月など、生徒に十分な時間を取ることです。なので、例えば2学期に扱う単元であれば、夏休みぐらいから計画していけばいいですね(相手も必要ですので、それぐらいの準備期間が先生側にも必要です)。しかし、これを一回やれば、あとは「また来年にこのような機会を作るから、それまで練習を繰り返そう!」としても、生徒も意義が分かっているので、活動に取り組みやすくなると思います。

どのように言語材料を提示すべきか(言語材料の提示の工夫)。

3点目は、言語材料の提示の工夫です。実は言語活動でどの文法事項を使わせるかという点はすごく悩ましい点なのですよね。ねらってもその項目を使ってくれるかどうかは神頼みというところはあります。ただ、分かっているのは、言語材料は、既習のことと比較・対照させながら学ばせると理解しやすいということです。また、さらに新出事項の単語や文法、語法などを中心に活動を考えるだけでなく、7割程度は今までにやってきたこと、習ってきたことを入れていくという視点も必要だということも言えます。7割程度が既習事項であれば、生徒もやりやすくなり、成功体験が増えます。すると嬉しくなっちゃいますね(新出事項は、ちょっとにします)。

改善案

改善案としては、例えば、完了形を学んでいるときには、過去形と比較させるということです。「〇〇をしたことがある」という表現を使う場合に、例えば、"I have been to Iwaki before. For example, ___years ago, I -"という表現を使うように促すと、少しずつどういう場合に完了形を用いて、どういう場合に過去形を用いるかわかります。また、説明と経験を組み合わせると(日本の文化について、1つ自分の経験を踏まえて説明してください)、説明の部分は現在形(お月見は9月に月を見ながら、おだんごを食べる行事です)で、経験は過去形等になります(私は去年の9月もお団子を食べましたが、食べすぎました)。これは文法事項を組み合わせる&既習事項を定着させるということにつながります。
また、リテリングについても考えてみましょう。リテリングをした後に、新出事項や生徒に定着していない表現を使いたくなる質疑応答を入れる、つまり[やり取り]をさせるということも新出事項と既習事項の組み合わせとなります。リテリングは何度も練習することが多く、ある一定の回数以上行えば、生徒はやりやすくなっています。その後に、新出事項や生徒に定着していない表現を使うようなinformation gapやopinion gapを入れた質疑応答を入れてみます。もちろん、新出事項や生徒に定着していない表現なので、英文の一部を入れ替えればできるぐらいの簡単さで導入すれば、質疑応答もそんなに難しくありません。例えば、上の例のように環境問題で、習った内容がMr. Launchの海の保護活動であり、新出事項や生徒に定着していない表現が仮定法だとします。そのときには、"If you were Mr. Launch, what else could you do?" "Oh, if I were him, I would ____." "That's a good idea, but why do you think so?"などと会話を作って、練習をさせてみるのも良いかもしれませんね。

支援について考えよう。

最後は「支援」についてです。支援ときくと、「?」と思うかもしれませんが、高校の外国語の新学習指導要領に入っている言葉です。言語活動が高度化すると、なかなかうまくいかないことが増えてきますよね。そのために、先生の支援が必要になってきます。「支援」ときくと身構えてしまうかもしれませんが、実は自分たちは割と自然にやっているんです。でも、今回はそれに「選択」という視点を加えてみようという話です(選択をさせると「自分ごと」になっていくというのは、上にも書きました)。

ドリルで例えてみます。次のような質問を生徒に投げかけたとします。

"When you have nothing to do on a beautiful Sunday, what do you usually do?"
(気持ちの良い日曜日に何もすることがないとき、普段はあなたは何をしますか?)

これ、そのまま活動としてもいいんですけど、”I usually enjoy riding my bike."とか例を示してあげると、生徒はぐっとやりやすくなります。生徒はenjoy -ingを使えばいいのかな?なんてヒントをもらえている訳です。さらにこの表現を使っても使わなくてもいいし、"I usually go to bed and enjoy napping."なんて例を与えてしまえば、そのまま生徒はパクリそうな気もしますよね(それでもいいと思います)。で、「例に示したのもいいけど、それ以外のも3つぐらい考えてみて!」としてthink-pair-shareさせると、他の人の例も取り入れながら、生徒は活動をしていきます。

その活動は、実は他の人の考えを取り入れていくので、活動のハードルを下げるし、しかもinformation gapがあるので、割と面白い活動になっていきます(同じことを考える生徒同士で「おお!一緒!」と友情も生まれたりします)。こういう風に支援を与えることで、活動がやりやすくなるし、生徒にもやる気が生まれそうです。

プリントの工夫

では、このヒント(例)をプリントの裏に印刷したらどうでしょうか? 見たい生徒だけがプリントの裏を見るでしょうが、その一方で「自分は助けはいらないぜ!」と肩で風をきるようにつっぱっている生徒(?)は支援なしでも活動を行いそうですよね。この考えをさらに進めると、プリントの両面に異なる内容を印刷して、「Aは自分でできる人用、Bは少しヒントが欲しい人用」とすれば選択権がうまれて、やる気を誘う感じになります。Aはちょっと挑戦で、Bを選んでも、楽しく活動に参加できる。これ、生徒はどちらを使うか固定化することにはつながらないんです。なぜなら同じ生徒でも、内容やその時の気分によって、Aに挑戦してみたり、Bで少し楽をしてみたり、そんなこともあっても良いわけですからそういう配慮があるといいですよね。
12/20追記:園元先生より、「スピーキング、ライティングのペアでの帯活動で、裏にヒントになるものを印刷して配っていますが、生徒ってちゃんと見なくても言えるようになりたい、書けるようになりたいという気持ちが働いていくんだな〜って感動します。」というコメントをもらいました。そうなんですよね。最初はヒントを見る生徒も、「見ないでできるようにしよう!」という気持ちが働くことが多いですよね。支援はたくさんあげる。でもどの程度それを活用するのは生徒が選択する、という形がよさそうですね。

教室掲示の工夫

毎回毎回2つもプリントを印刷する暇がないよ!という場合もありますね。ええ、わかります(←自分がそのタイプ!)。そういう時は、2枚程度印刷して、教室掲示すればいいです。黒板に貼ったり、壁に貼ったりして、ヒントあるよーというと、見にきます。直接その場で写すのを禁止すれば、席につくまで頭の中で覚えておかないといけないので、覚えることにもつながりますね。

さらに、プリントも用意する暇がないんだけど!という方は、セーラー万年筆の「(どこでもシート セーラーショップ」はおすすめです。どこでも(黒板でも、ホワイトボードでも、窓でも!)静電気でくっつくので、これとペンをもっていけば、生徒に与えたいヒントをその場で書けて掲示できるし、他のクラスにも剥がしてそのまま持っていけます。便利ですよね。

まとめ

以上、ここまで学力差の対応について、書いてみました。他の方法もあると思いますが、興味深い活動にする、言語活動のデザインを考える、支援のしかたを工夫するという3点で示してみました。また、授業の悩みシリーズを続けて書いてみたいと思います。

リフレーミングについて。あるいは「井の中の蛙」について(忘備録シリーズ)

先日、リフレーミングについて話す機会をもらったので、またもやその忘備録です。最近、忘備録が多いな(^^; なお、話してからちょっと時間がたってしまっているので、内容が少し変化しているかもです。

1 はじめに

1.1 時代劇が好きだということ

最近、NHKで土曜日の夕方にやっている子連れ新兵衛をよく見ます。こういう時代劇とか、寅さんとか釣りバカ日誌とか、結構好きなんです。予定調和的(!?)というと語弊があるかもしれませんが、最後はこうなるだろうなと思いながら、見るのが好きなんでしょうね。結構いまはご存知の方が少なくなってきましたが、むかし刑事コロンボが好きだったのも、結末が分かっていても、どういう手順でそれを明らかにしていくかという過程を知るのが好きだったのではないでしょうか。

そうそう、時代劇の話でした。そう、時代劇を見ると、結構決まり文句が多いんです。例えば「あいつ、井の中の蛙じゃねえか」とか出てくるんですよね。そうすると、一応言葉を教えてお金をもらうという職業についているせいか、どうしてもその言葉が気になってきます。自分でいうのはアレですが、言葉には敏感なんです(笑)。

1.2 「井の中の蛙」とかことわざとか。

ところで、「井の中の蛙」ってどういう意味でしょうか。当然「井戸の中には、蛙がいることもある」という確率論の話ではないですよね。そうです、井の中の蛙、大海を知らず」の後半が省略されていると考えられます。

ところが、飲み会とかで「あれで終わりじゃないんだよ」とおっしゃる方がたまにいらっしゃいます。ええ、酔ってらっしゃいます。説教が突然始まるわけです。「お前、あのことわざみたいなやつの意味は、『視野が狭くちゃいけないよ、ちゃんと世界を見て視野を広げないといけないよ』という意味だと思っていただろ!?」なんて怒られるわけです。で、「なるほど、なるほど」とか適当にあわせながら聞くと、「あれはな、後に続きがあるんだ。井の中の蛙、大海を知らず。されど、空の深さを知る』って言うんだよ。深い言葉だろ!? 蛙は視野は広がってないかもしれない。だが、1つのところにしがみついて一所懸命ずっとやっていると専門性がついてくる。深いところまで分かる人物になる。それがいいんだ。もともとは、そう言う意味なんだ。そういうことまで分かって指導しないとな!」とおっしゃるわけです。なるほどなーと思いますよね。

よく考えると、ことわざってこういうのが多いですよね。「情けは人の為ならず」も、「人のためにはならない」と思っていませんでしたか。僕は思っていました。あれは「優しくするのは人の為ではない。自分の為だよ」という意味なんですよね。口伝って文字がない世界なので、結構こういう間違い、勘違いが多いんですよね。「アルプス1万尺」とかも子ヤギの上で踊ってしまったりして、あとで事実を知って「ええ!?」ってなりますよね。

1.3 「ええ!?」は大事

でもですね、実は、この「ええ!?」というのが大事なんです。最初思っていたことと違うことが分かって、「ええ!?」となる。で、大袈裟にいえば、この世界の見方が変わるわけです。私たちは、自分たちの「見方」を通して、この世界を見ていますが、この「見方」を「枠」、つまり「フレーム」と呼ぶ人もいます。絵画も枠を変えれば、絵画自体は変わっていないのに、違う絵のような印象をもったりしますよね。我々も思考の枠を変えると世界の見方が変わります。この世界の見方が変えるよう認知に変化をもたらすことを、枠を英語でフレーム(frame)というので、フレーミング(reframing)といいます。今日は、このリフレーミングの話をしますね。

2 リフレーミングの例

2.1 他の例

フレーミングって聞くと、難しそうに聞こえますが、そんなに難しい話ではありません。他の例を出してみましょうか。

鹿児島県内にコンビニがたくさんありますよね。実は、コンビニで最近気になることがいくつかありますよね。何か分かりますか。はい、桜島の近くのコンビニは看板が茶色いですね。そうですね、環境に合わせて、色をかえていますね。他には何かありますか。・・・そうです、ポールサインと呼ばれるそうですが、コンビニの道路脇の看板が低い位置についていますよね。気づかれてました? 大丈夫です。知ると急に意識するようになりますから。気になる方は、googleで「コンビニ、看板、低い」で画像検索してみてください。これ、なんで低いのが最近多いんですかね。一説には、低くすると建築法か何かで届出が少なくて済むからという意見もあります。また、鹿児島といえば、台風の影響が大きいですよね。なので、台風で折れるのを防ぐためという説もあります。さあ、みなさん。これまでコンビニの看板があまり気になることはなかったと思いますが、いま、こうやっていろいろと知ると急に意識し始めるんですよね。これがリフレーミングの力ですね。世界の認知が変わるのです。

2.2 ICTの"C"とは?

他にも、ICTってよくいいますよね。あれ何の略ですか。そう、Information and Communication Technologyですよね。実はCってコミュニケーションってご存知でしたか。Communicationがなければ、ITですよね。冗談だと思いますが、「ICT、Communicationなければ、単なる『もの』(=IT)」と言った方もいます。「ICTを活用した授業」と言われたりしますが、コミュニケーションがどう行われているかということにも意識する必要がありますね。そう考えると、またICTの活用も、単に機械を活用すれば良いということから、コミュニケーションがちゃんと起こるようにしなくてはと意識も出てきます。本来は、ここでのCommunicationとは通信という意味でしょうけど、そうとも考えられるんですよね。これもリフレーミングの1つだと思っています。

フレーミングについて、だんだんと分かってこられましたか?

3 カリキュラム・マネジメントとリフレーミング

3.1 カリマネのこと

さて、ここでカリキュラム・マネジメント、いわゆるカリマネとリフレーミングの関係について語ります。おそらくこうじゃないかなというレベルなのですが、ちょっと聞いてみてください。

学習指導要領が新しくなって、さまざまなterm(用語)が増えています。例えば、「カリキュラム・マネジメント」もそうですね。「主体的・対話的で、深い学び」もあります。「資質・能力ベース」という言葉もありますね。

さて、カリマネのマネは経営とか管理という意味ですが、カリマネって何をするんですかね。そうですね。カリキュラムは教育課程を意味するので、教育課程をどう管理していくか、経営していくかという話になると思います。でも、教育課程っていうと、教育課程表って各学校にあると思いますが、あれは何を表していますか? そうですよね。授業ですよね。どの教科や科目が何単位あるかを示しています。つまり、授業ですよね。

3.2 学校教育目標のこと

ここで、1つ質問ですが、学校でどんな子ども達を育てたいかということは何に示されていますか。そう、学校教育目標ですよね。学校教育目標で、「知徳体」とか「かしこく、やさしく、たくましく」などと示されたりしています。でも、あの学校教育目標と授業ってどうつながってます? 校長先生が、こんな子ども達を育成したいと学校教育目標を設定する。で、学校の大きな部分は授業です。目標つまりPlanを達成するためには、授業=Doで達成する必要がある。でも普段授業では、学校教育目標を意識していなかったりしますよね。

なので、最近、学校教育目標を基に「児童生徒が身につけたい資質・能力」を明確化する学校が増えています。例えば、山梨の吉田高校では吉田GPを設定しています(https://berd.benesse.jp/up_images/magazine/VIEW21_kou_2017_06_jissenjirei_01.pdf)。なるほど、という感じですよね。でも、授業にどう落とし込めばいいのでしょうか?

3.3 新学習指導要領の資質・能力

ところで新学習指導要領で定められている資質・能力とはなんだったでしょうか。覚えていらっしゃいますか。そうですね。下の画像にあるように、「知識及び技能」「思考力・判断力・表現力等」「そして学びに向かう力、人間性」の3つですよね。そして、全教科この3つを基に、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」で評価することになっていますね。この観点別学習状況の評価は今回の改定から、全教科共通になりました。でも、なぜ全教科共通にしたのでしょうか。(絵はこちら

3.4 2つの関係性

さて、ここまで見てきた、ご自分の学校の「児童生徒が身につけたい資質・能力」と、この「文科省が示した資質・能力」とはどんな関係になっているのでしょうか。それを考えたいですよね。

よく、この2つが結び付けられていない例がみられます。でも、学校の「児童生徒が身につけたい資質・能力」を「文科省が示した資質・能力」と紐つけると、実は学校の授業でどのような資質・能力を身につけさせるべきかはっきりしてくるんです。そしてまた、各教科では評価を必ず行っているので、「児童生徒が身につけたい資質・能力」が多くの子ども達の身に付いているかがCheckできるようになってるんですよね。こう考えると、しっかりと考えて計画すれば、Plan-Do-Check-Act(ion)のPDCAサイクルがちゃんと回るように考えられているのが分かります。また、各教科の指導計画をA3で1枚の進度一覧表にして、どの資質・能力をいつどのようにつけようとしているか確認していくと、各教科の連携が取れていくんですよね。

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上の図でいうと、学校教育目標から考えた資質・能力を(すいません、割と結構適当に作りました)ばらばらのままでなく、下のように、評価の観点で捉え直してみる。すると、授業で学校としては、どういう資質・能力を授業や行事で身につけたいのかはっきりするし、言語化すれば、先生方も共通認識をもって取り組みやすくなるんですよね。

で、そう振り返って考えてみると、自分の学校はどうかなあ、児童生徒を伸ばす目標である学校教育目標を授業でどのように伸ばそうと考えていて、その結果はどうだったか示されるシステムになっているかなあなどと考えるようになります。そうではないですか?

3.5 整理しましょう

整理します。

  • 学校教育目標をもとに、学校の「児童生徒が身につけたい資質・能力」を明確化する学校が増えている。
  • 全教科「観点別学習状況の評価」の観点が3つに整理された。
  • カリマネという言葉がキーワードになっている。

で、これは多分、バラバラのこととして先生方の心の中にあったと思うのです。しかし、実は自分たちが直接教えている児童生徒を考えて設定した学校教育目標をもとに、授業で伸ばすべき資質・能力を明確化し、児童生徒の評価というツールを通して自分たちの授業も同時に評価する。そして、よりよく児童生徒を育成できるようなシステムを作る。これがカリキュラム・マネジメントの1部分を表しているということをいま説明しましたが、どうですか。1つ1つのことがつながっていき、全体像が見えるという、リフレーミングがみなさんの心の中で起きはしないでしょうか。起こっていたら、この話は成功です。しかし、起きちゃったら実はちょっと大変です(笑)。リフレーミングが起きると、行動を変えないといけないと思ってしまうんですよね。

認知の力ってすごいんです。知るともう戻れないし、知ったことは自分の行動を変えていく。授業というのは、実はそういうものだと思います。昨日まで知らなかったことを学んで、子ども達の認知だけでなく、行動を変えていく。そういう営みだと思うんですよね。で、学校というのは、授業がそうなるように最適化したシステムをもっているべきだと僕は思います。

4 終わりに

だいぶ、長くなりました。僕のこのカリマネの捉え方は間違っているかもしれませんが、ずっと考えてきて、やっと腑に落ちた考えです。また、ご自分でも考えてみてください。

そうそう、言葉を扱う者の端くれとして、最初の「井の中の蛙」はどれが正しいのか、いま流行りのFACT CHECKを行いました。『井の中の蛙、大海を知らず。されど、空の深さを知る』の出典は何か調べてみたわけです。すると、ないんですよね。おそらく、荘子ではないかと言われていて、「秋水篇」に「井蛙不可以語於海者、拘於虚也」という言葉があるので、その箇所が「井の中の蛙」となったのではないかと。そして原文には、「空の深さを知る」は全然出てきません。だから、伝承されるうちにきっと頭のいい方が付け加えて、リフレーミングを起こさせようとされたのでしょうね。あら、そう考えてみると、この「井の中の蛙」は実は3回リフレーミングを起こさせていることが分かります。

  1. 井の中の蛙、大海を知らず」という言葉を知る。
  2. 井の中の蛙、大海を知らず。されど、空の深さを知る」であると説教を受け、ことわざの意味が変わる。
  3. 実は原典にはそのような言葉はなく、原典は「井戸の中の蛙と海のことを話すことができないのは、本当のことを知らないからだよ」ぐらいのことしか載っていないと知る。だまされたと思って飲みに行って誰かにこのことを話したくなる(そしてまた被害者が…(笑))

世の中は複雑ですね。リフレーミングは日々、様々な形で起こります。授業でもまた子ども達にこのリフレーミングの楽しさを味わせたいものですね。

(話したことは以上です)

ベネッセ「高1生の英語学習に関する調査 〈2015-2019継続調査〉」を読む

ベネッセ教育総合研究所が2015年から2019年の間、高校1年生に継続して行ったアンケート結果をまとめています。
berd.benesse.jp

結構面白い結果が出ています。ざっくり言うと、授業で英語を使う機会を増やすといいことが起きるかもしれないという感じでしょうか。

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便利なサイト等

リンク集です。適宜加えていきます。

コーパス

コーパスとは、「言語学において、自然言語処理の研究に用いるため、自然言語の文章を構造化し大規模に集積したもの」(by wikipedia)です。ざっくり言うと、例文集と捉えてもいいかもしれません。

English Corpora: most widely used online corpora. Billions of words of data: free online access
COCA、BNC、Google Ngramなどへのリンク集。便利。GloWbEでは、国ごとの使用頻度などの比較等もできます。

SkeLL
Webから用例を探してくれます。共起語を探したり、similar wordsを探せる。なかなか使い勝手もいいです。

Interesting Things for ESL/EFL Students (Fun English Study)
ESL学習用のサイト。こちらも用例を示してくれます。主な英文には音声もあります(スピードも変えられる)。オススメです。

Home | SCoRE
教育用例文コーパス。文法項目ごとに、日本人中高生向けの英文を初級・中級・上級のレベル別示してくれるサイトです。

語彙レベルについて

Test Your Vocabulary Online With VocabularySize.com – Free tools to measure your students' vocabulary size
140語の単語の意味を、日本語4択で意味を選んでいくと、語数が計測できます。

Lognostics Tools
V_YesNoというプログラムで計測できます。200語出てきます(^^)/

VST (computer/test )
Webでも、印刷してもできます。上に比べてより詳細に計測できます。

参考文献:中田・内原「新しい日常における英語語彙指導・2---新しい学習方略指導と語彙テストの観点から」(大修館「英語教育」2020年12月号)

Reading関係

CVLA: CEFR-based Vocabulary Level Analyzer
テキストの語彙のCEFRレベルを教えてくれるサイト。Reading / Listening別に分かります。

New Word Level Checker
New Word Level Checker. JACET8000/SVL12000/NGSL/CEFR-Jでの英文レベルを算出するサイトです。

Word Cloud Generator
テキストの中の語彙を出現回数にしたがってサイズを変更して、Tag cloudsが作れるサイト。キーワードが出現数が多ければ大きく示されるので、単元の最初に生徒が内容を予想するのに使えます。詳しくはここ

走っちゃう? Dicto-Run = dicto-gloss + shuttle run - arishima.info
Dictoglossについて説明したエントリです。もしよかったら、どうぞ。

British Council LearnEnglish Teens | Free resources for teens to help improve your English
British Councilの4技能ごとに学べる10代のためのサイト。

177 Questions to Inspire Writing, Discussion, Debate and Reflection - The New York Times
敬愛するtmrowingさんに紹介頂いたサイトです。視野を広げるのに最適と述べられています。

Listening関係

Randall's ESL Cyber Listening Lab - English Listening
無料。たくさん聞く素材があります。レベル別に分かれていて、クイズや聞いた後の質問なども書いてあります。オススメ。

Online English Lessons | English Videos - Interactive Video Learning | EnglishCentral - Online English Learning
人気のあるリスニング向けサイト。無料でも使えますが、有料にすると様々なサービスを受けれます。

Online異文化交流

無料で利用できるオンラインの異文化交流のサイト。
 
https://education.skype.com/p/notes?fbclid=IwAR0dY8tEEIEp-Cus0SH0EZhn1nx8maEi4BCi94tXmG39eSu2V9yy0kmhc-w
Skypeで異文化交流のサイト。

Colorbath | 想いをカタチに、未来をつむぐ
海外の学校とインターネットを通じてリアルタイムに国際交流する「Web交流プログラム」など、様々なプログラムがある。

HOME | Kizuna Across Cultures (KAC)
日米の高校生をつなげるプログラム。応募が1月なので、気をつけて。

オンラインリソース

無料で使えるサイトです。ただし、ご利用にはきちんとCopyright等をお読みください。
 
Voice of America - Learn American English with VOA Learning English
Voice of America の Learning Englishのページ。

Wikijunior - Wikibooks, open books for an open world
Wikipediaの12年生までのテキスト。

便利なアプリ

iPhoneで使える便利なアプリの紹介です。
 
一太郎とスマホの新しい連携スタイル「一太郎Pad」 | 一太郎2021 | ジャストシステム
一太郎pad。カメラで写した写真の中の英語・日本語をテキストに変換してくれます。便利です。

‎Etymonline English Dictionary on the App Store
単語の語源を教えてくれるサイトのアプリ版です。

QRコード

QRコード作成【無料】作り方/QRのススメ
QRコードを無料で作れるサイト。下のサイトで短縮URLを作ってからでもいいかもしれません。

Bitly URL Shortener | Short URLs & Custom Free Link Shortener
bit.lyの短縮URLを作れるサイト。少し下の方にあるので、アクセスしたらスクロールしてみてください。

PDF

PDFをつなげたり、いろいろとしたいときに使えるサイト。
 
PDF24 Tools: 無料で使いやすいオンラインPDFツール
オンラインでPDFの操作ができるサイト

無料でPDFファイルをWordやExcelファイルに変換するネットサービス「PDF to Word」&「PDF to Excel」 - GIGAZINE
PDFをWordにしたり、Excelにしたりするサイトの紹介です。

アマゾンのAWSについて

amazonでもキーワード抽出ができることが判明。でも、これ凄すぎ。感情の起伏をプログラムが抽出可能です。高校生は、負けてないか。気になります。詳しくは記事を見ればいいですが、固有名詞を抽出したり、キーフレーズや感情の起伏を抽出できるようです。

aws.amazon.com

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Wあるいはauwawauについての一省察

alphabetについて結構いろいろと調べている。今日は文字wについて。なぜwはvが二つあるように見えるのに、double-uと呼ぶのか問題である。すぐ答えを知りたい人は英語史で著名な堀田氏のブログに書いてあるので、そちらを参考にしてほしい(クリック)。下はそれを学ぶためにえっちらおっちら調べながら書いたものなので、間違いがあっても笑って許してほしい。いや、許してください。すみません!(うん、先に謝った!)。

はじめに

まずはMatt Baker(UsefulCharts.com)氏のalphabetの歴史をみて振り返りたい。この画像はありがたいことに、Creative Commons BY-SA-NCとライセンスされており、ダウンロードしてPCやzoomなどの壁紙として使用可能である。
https://cdn.shopify.com/s/files/1/1835/6621/files/alphabet-color_09ce9b05-8fc6-475b-af04-a34e5b3314a4.png

諸説あるだろうが、上の図では、F/Y/U/V/Mが同じ文字(セム語のwaw)から分化しているのがわかる。wawについては、wikipediaを参考。また、Vが現在のU, V, Wのすべてを担っていたというのもみて取れる。

同じように、英語版wikipediaのWの項目をみると、次のようなhistoryが載っている。

f:id:karishima:20200614204714p:plain
英語版wikipedia "W"の項目より(https://en.wikipedia.org/wiki/W

やはり、vから分化しているのが分かる(この鳥さんの絵、味がある)。

くわしくみる。

wの音はラテン語などではvで表されていたが、vは有声両唇摩擦音(日本語だったらバ行ですよね)を表すようになった。そのため、walkなどのw音を表すために他の文字が必要になり、7、8世紀ごろに、似た発音の文字を重ねることで表す表現法が生まれた。それが[vv]もしくは[uu]である(その頃はまだv/uは異なる文字と認識されていなかった。この2つの文字の区別には、まだあと1000年ほどの時を待たねばならない)。同時期(といっても4世紀だが)のGothicではwの音を表すのにイプシロンが使われていたらしい(上の図の6番目だ)。小文字をみると、現在のvの筆記体と同じように見える。

で、uを重ねた[uu]だが、2つの文字を使って1つの音を表すのにはやはり抵抗があったのか、イギリスでは現在のpに似た文字のwynnを使用するようになる。Beowulf - Wikipediaをみると最初の単語では、wの音をƿ(wynn)で表されている。例えばwhatは ƿæt と表記されている。

では[uu]は消えたのか? 堀田氏によれば、[uu]はフランス北部のノルマン人に広がっていたという。ノルマン人はwageなどwで始まるゲルマン系の語彙を有していて、やはりwの音を表す語が必要だったのではないだろうか。the root of the name England ("land of Ængle")とwikipediaにも記されているが、Angles人はもともとは現在のデンマークのすぐ下にいた人々であり、体格が良すぎて馬に乗れずに徒歩王と呼ばれたロロが、おそらくデンマーク人かノルウェー人であったことからも推し量られるように、ノルマン人はイギリスにいた人々と言葉や文化をある程度共有していたと想像される。言語についてもまた然りである。

そして1066年のノルマン・コンクエストにより、ノルマン人がイギリスを支配するようになり、wの文字が戻ってきたと先の堀田氏はしている。ノルマン・コンクエストは英語に大きな影響を与えたが(実際、英語はクレオールなのか問題なども出てきている)、文字にも影響を与えていたのである。13世紀には文字wynn(ƿ)は廃れてしまった。wynnの悲劇である。

double-uかdouble-vか。

で、さらに、roundhandなどを確認するに筆記体では、wはvの文字2つではなく、下がカーブで書かれているので、uの文字2つに見える。roundhandの図を良くみると、小文字のwはやはりuが二つ重なっているように見える(whichのwなど)。もともとu/vの区別がつくようになったのは17世紀以降であることから鑑みるに、「double-uでもdouble-vでもどーでも良かった説」もあながち捨てきれない。そして、「いやこれ2文字でしょ!いや1文字でしょ!」問題もきっと真面目な人には深刻だったに違いない。そう思っていたら、英語版wikipediaのwの項目に以下のことが載っていた。16世紀に書かれたものである。

かわいそうな「w」は、悪名高く無名であり、名前も形も多くの人がほとんど知らないほどだ。ラテン語ではwを必要としないのでラテン語派を志す人たちも、ドイツ人も、学校の先生でさえもwの使い方や呼び方を知らない。この文字を「we」と呼ぶ人もいれば、「uu」と呼ぶ人もおり、スワビア人は「auwawau」と呼んでいる。(https://en.wikipedia.org/wiki/Wから訳して引用)

auwawauってなんだよ!?という感じだが、ドイツ語では、wはvを表す。だからVolkswagenは[ˈfɔlksˌvaːɡn̩]と発音される。vがfになり、wがvになっている。文字というのは面白いものだ。とまれ、まだ16世紀では呼び方は定まっていなかったことが推察される。

1755年のJohnsonの辞書ではwの項目で、「学習するアルファベットには見られない文字」と書かれているので、まだ不安定な感じがする。18世紀でも、学校では正式なアルファベットとして認められていなかったようだが、辞書には項目として掲載されていたことが分かる。

1828年のNoah Websterの辞書では、23番目の文字と明確に示されている。「文字の形と名前は2つのVが結合してできたもので、これは我々がUと呼ぶローマ字の大文字の形をしている」とされている(これ訳したはいいけど、ちょっと意味がわかりかねる。どういう意味だろう?)。

堀田氏のブログの「古英語アルファベットは27文字」をみると、OEにuはあるが、vはない。やはりdouble-uと呼ばれるのは、上と合わせて、VとUの区別が曖昧であったこととUのVに対する優位性があったせいではないかと思われる。

結論

果てしなく長くなっているが(見た感じ分からないと思うが、一個一個確認しているので、すごい時間がかかっている)、wは昔一度生まれたが、他の文字にとって変わられ、そしてまたその文字を退けて、復活した。現在のフォントではvを重ねてあるように見えるものの、double-uと呼ばれている。なお、2つのuを重ねると呼んでいるのは英語だけで、他の言語では2つのvと呼ばれている。それには、u/vの区別が割と最近までなかったことや、その書き方の多様性が影響していると思われる。このwの文字が定着するまでに、多くの人が様々な人生を営みながら現在につなげてきたに違いないが、そう思うと、感慨深いものがある。文字に対する興味は尽きない。また調べていきたい。