松井先生のこと。そして達セミ。

ちわっす,有嶋です。センター試験は天気がよくて何より!

昨日予告した通り,年始に京都・和歌山の達人セミナーに参加記録。

もともとは谷口先生から「年末ごろ,松井先生と達セミしない?」と誘ってもらったのが始まりでした。松井先生は雲の上の存在(←それって宇宙人?とかツッコミはなし!)ですが,松井先生と共演できるなら最高です。というわけで,松井先生をfacebookでお誘いしました。

松井先生の「英語教育の明日はどっちだ?」はこちら。

英語教育の明日はどっちだ! TMRowing at best



で,なぜかいつの間にか博多で共演するはずが,京都・和歌山に。さすが谷口先生。どんどん行く場所が遠くなってます!! でもね。達セミには育てていただいたという気持ちが大きいので,何があっても,いいんです。長いものにはマカロン!!(←違う)


去年はずっと思っていたんですよね,松井先生の博多・熊本はどうしても見に行きたかった!と。11月も見に行きたかったと!(これは毎年!)。で,夢が叶って今回です。なんと胡子先生も一緒に! みなさーん,気づいてますか? お正月に胡子先生ですよ! 胡子先生のご指導は凄いのに,そしてその指導の裏にある先生の思いまでわかってしまい,それだけでも凄いのに,お名前まで「胡子」先生ですからね! 今年の正月キターっ!と心の中で思いながら参加です。

胡子先生はkeep charge(なぜかfacebookで先生がJRの駅でchargeする写真が流れてきましたが,私は見逃しません!!)。そして,Be the first penguin。 先生,僕,今日からペンギンになります!と思っちゃいます。胡子先生,そして園元先生の話は,英語教師ならきかなくちゃダメですよね。

そして胡子先生だけではないんです。京都ではiPodを英語教育に勧められた高田先生が,そして和歌山では江利川先生が一緒に講師をされました。もう,最高です!!


で,松井先生ですよ。

松井先生の何が凄いって,さすが本物は違います。
まず対面リピートの凄さ。話す方も考えて,聞く方も考えて,対面リピート。話す方が間違えたらリピートできない体験を初めてしました。分かりやすく言うと,下のような感じです。

Whenを補って言う。


I'm going to visit a friend       tomorrow evening is the only time
I can see you this week       I always call him or her in advance

こんな風に左右がばらばらになっていて,しかも左右のどちらが最初にくるかわからなくなってるんです。相当チャレンジングですよね。でも,力になります。わくわく,どきどき,チャレンジング((C) 江利川先生)。流石です!

そして今回は大阪の入試問題に関する考察。先生の熱い思いが伝わってきました。誰に,なぜ,書くのか。なぜか今,僕はスピーキングの指導法を中心に述べることが多いのですが,やはり根本から考えないといけないと強く思います。


そうなんです。いつも松井先生の話を聞くたびに,やっと一周回れた!という感じを受けるんです。先生の話を聞いて,いろいろと自分でやってみて,そしてまた松井先生の話を聞く。すると分かるんです。あ,こうだったんだ,と。これが原点だった,こうだった,これが原点にある「思い」だったんだ。

松井先生の凄さがまた実感できるんです。


ずっと前に僕は書きました。松井先生は燻し銀だと。Teachers' teacherです。いろいろとやってみて,初めて先生の実践の凄さがわかります。でも,松井先生は一つ一つ教えてはくれません*1。「真似ぶ」です。真似て学ぶ。なるほど,と。そうして理解が進んでいくと思います。

松井先生の話を聞く機会は多いわけではありませんが,ひとつひとつは真珠のようなものです。光ってます。また次の機会を心から楽しみにしたいと思います。今回は1時間バージョンでしたが,次は2時間お話を聞きたいと思いました。

うう,なんだか思いが強すぎてうまく書けてませんね。反省です。

では,またセンターの応援に行ってきます。
さりゅ!

*1:本当は質問したら教えてくれます(^^;

clozeテスト作成しちゃうよ!!

ちわっす,有嶋です。

clozeテスト作成ツールが思いのほか好評なので,ちょっとコメントを(入手は下記のリンクからお願いします)。

cloze問題作成 | 鹿児島高英研・中英研Website


プログラムした理由は,実は職場がPCに勝手にソフトをインストールするのは禁止でhot potatoesが使えないという切実な理由によるもの。

それからついでに,他の方が作ったプログラムは高機能で使いたいんだけど,PCのスペックによっては重くて,気持ち的には(あくまでも気持ち的には)「ううう,本当はこんなものではないであります!!」とはがゆさを感じていた訳です!!

詳しくはまた別エントリーにしちゃいますが,最近自分の中でかちっとはまってきた概念が「SHIFT」なんですよね。

解説しよう!「SHIFT」とは


英語の授業において,活動をさせる際に,活動の目的自体をゴールにするのではなく,やることを少しずらして指示して,生徒の活動に対するモチベーションをあげることを意味する。例えば,「enthusiasmという単語を10回書きなさい」と言ってもあんまり生徒は書く気がおきない。でも,「enthusiasmという単語難しいね。ところで隣の人の顔をみてごらん!どっちが30秒で早くたくさん書けるか競争だ!」とすると(この活動はQuick Writing),なぜかたくさん書きたくなってしまう。負けたら悔しい! 今度は負けないぞ!(←生徒の気持ちになってみました)


教員の活動の目的は究極的には「たくさん書いて綴りを覚えること」だけれども,一方は直接書くこと自体を生徒に課して,もう一方では友達との競争にして,活動の目的をずらして与えている。競争でも、生徒は「たくさん書くこと」を結局はやることになるんだけれども,活動の目的は「ただたくさん書く」ではなく,「友達と一緒に書くけど,自分の方がたくさん書けるように早くたくさん書けるようがんばる」というものになる。


活動の結果は同じだけれども,活動の指示の仕方がやらせたいことと生徒がやることがすこしずらされてる。このように活動の指示をやらせたいことと少しずらして生徒に与えることを「SHIFT」と呼びます(優れた活動にはこのSHIFTが入っていて,なぜか生徒に「もっとやりたい」という気持ちを起こさせる。)

clozeテスト形式の音読は,結構多用していて,「cloze形式の穴あきテキストを見て,時間内に全部言えるかどうか」というSHIFT入りの活動にしてマス。こうすると,面白いんですよね。

有嶋「はい,時間だよ〜!」
生徒「ああ,あとちょっとだったのに・・・」
有嶋「もう一回練習したい?」
生徒「したい!」

と音読練習を生徒がしたがることが、なぜか多くなります。

でも,一回一回clozeを作るのは大変。ソフトはあるけど,職場は勝手ソフトインストール禁止条例絶賛発動中!だし,javascriptで誰か作って〜と思って最早3年ほど。誰も作らない(当前!)。仕方ないので,自分で作りました(ぱちぱちぱち)。

本当は神谷先生のソフトなんか品詞ごとに自動的にclozeにできたり,jacet8000を使ってclozeにできてマジですごいぜ!!神か!という感じでまじリスペクトなんですが,学校で使えないのが残念(本当はmacを持ち込んでソフトを立ち上げ,iPhoneテザリングしてできたclozeをメールで自分に送って,そして印刷という流れで,本気で頑張ればできるけど,時間がかかってできない)。

だから,自分で開発したのはその簡略版という感じです。ついでに,確認テストにもよく使うので,最初の文字が入っているバージョンと,下の語群から選ぶバージョンと2つできるようにはしました。これは偉いね,オレ!

ま,もしよかったら使ってやってください。結構ブラウザベースなので,さくさく動作するかと思います。一応ライセンスはCommons 2.1なので,ご自由にどうぞという感じです。

ついでに次回作予告を。昨年の10月から言っていますが,次は「並替問題自動作成君」を出します。まだバグがいっぱいあるのでダメなんですが,急ぎまーす。

では,センター試験の応援に行ってきます! さりゅ。

1月の3連休1日目にしたこと。

ガリレオ(鹿児島)の研究大会,達人セミナーの京都,和歌山に参加しました。

1月の3連休は英語教育関連で忙しい日々を過ごしました。

まず1日目。ガリレオの研究発表大会。第22回です。今回は午前中に中高の第1回鹿児島県英語プレゼン大会を実施しました。また午後からは,筑波大学の卯城先生をお呼びして,実証授業と研究発表を,そして卯城先生のご講演を頂きました。年末から何回も授業と発表の練習をしてきましたが,満足度の非常に高い大会になり,多くの方々に感謝!です。なお,娘と息子が中学校の部のプレゼンに参加し,優勝しました。嬉しかったです。

以下は,研究会のリーダーとして研究紀要に寄せた文言(少しだけ編集したもの)です。

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Dictogloss 【でぃくとぐろす】

これは何?

Dictoglossは,もともとWajnryb (1990 相変わらず,読み方が分からない・・・) によって広められた活動。特定の文法項目もしくは内容(環境など)を目的にします。個人的な感想を言うと,生徒は結構集中するし,メタ的に文法を捉えることも多いですね(「これ『彼』が主語だから,sが必要かも?」等)。

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フォーカス・オン・フォーム FonF 【えふおんえふ】

これは何?

敬愛する出水田先生から,「先生,結局FonFってなんでしたっけ?」と言われて即答できなかったので,調べて覚え書き。でも,結局FonFってどうなの?役に立つの?美味しいの?って批判もある。しかし和泉先生の講演での活動例は面白かったので,これは・・・と思い,まとめ。

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置換モード【ちかんもぉど】

敬愛する静先生の「英語授業の大技・小技」p.100で紹介されている活動。

ねらい:日英のマッピング。ついでに生徒の英文理解を助ける。
時間:5分程度
コメント:静先生の例は単語を置き換えたものが多いが,フレーズで覚えさせることが多い。CDと同じスピードで読めるように指導すると良い。ネーミングが男子の心をくすぐることが多いが,女子には嫌われるので,Mixed Readingと呼ぶことも多い活動。生徒のi+1以上のところをこれで与えておくと,生徒の理解が深まるが,研究授業では常に「先に与えてしまったら,自分で読む力がつくのでしょうか」と質問される。そんなことを言われても・・・と思うが,生徒がその英文を理解するヒントにはなる。個人的には,生徒の力量よりかなりレベルが上の文があったら,とりあえずさっさと覚えさせとくか,という感じでやってます(すみません)。Tolerance for ambiguityですよね(と独り言)。前に同じ質問をされて,やっぱりまずいかなぁと思ってやめたら,真面目な生徒から「あれがなくなると困ります」と言われた。授業前の理解度が全然違うらしいです。やった方がいいのか,やめた方がいいのか,困ったなー。(←全然困ってない)

例:下線をひかせる。ノートに答えを書かせても良い。

I know that many of you are the first to graduate from college in your families. As you know, being the first is often a big responsibility, particularly in a community that is struggling to cope with record high unemployment. With few jobs, many of you may be considering leaving town with your diploma in hand.
桐原書店 Provision Communication English I Lesson 8)

Underlines the phrases.
(1) 初めての大卒の人々(6)
(2) 〜と対処しようと奮闘しているコミュニティ(8)
(3) 街を出ようと考えている(3)

Word Hunt【わぁどはんと】

Word Huntは「高校英語教育を変える和訳先渡し授業の試み」で紹介されている活動。もともとは単語を探し,その語を含む文を答えさせる活動である。生徒は見つけたら挙手する。

ねらい:テキストを何度も読ませる。語彙のfamiliarityを高める。
時間:5分程度
コメント:隣の生徒と競争させても面白い。時間制限を与えても良い。

やり方
(1) その1:日本語を与えて,探させる。

  Hanami, which literally means "flower viewing", is the Japanese traditional custom of enjoying the beauty of flowers, especially cherry blossoms. The practice of Hanami is more than a thousand years old, and is still very popular in Japan today. It takes place in the Spring, contrary to the custom of Momijigari, which is celebrated in the Autumn. The blossoms only last for a week or two, usually from March to April, and they are followed by the media and waited for by most of the Japanese people. Full bloom usually comes about one week after the opening of the first blossoms. Another week later, the blooming peak is over and the blossoms are falling from the trees.
  A more ancient form of hanami also exists in Japan, which is enjoying the plum blossoms instead. This kind of hanami is popular among older people, because they are more calm than the sakura parties, which usually involve younger people and can sometimes be very crowded and noisy.
  It is important to note that the Japanese call this, not only "hanami" but also ohanami, adding an "o" in front, literally meaning "to view the flower blossoms"
(Source: http://simple.wikipedia.org/wiki/Hanami)

Find and underline the words which have the following Japanese meaning. The number in a blanket shows the number of words (no blanket→ a single word.)
① 伝統的な ② 開催される(2)  ③ 頂点 ④代わりに ⑤混んでいる

その2:単語等の定義を与えて探させる。

Hanami festivities have also become popular outside of Japan in the last years, and is also celebrated today at other countries. Smaller hanami celebrations in Korea, Philippines and China (where the custom was first created) also take place traditionally.
In the United States, hanami has also become very popular. In 1912, Japan gave 3,000 sakura trees as a gift to the United States to celebrate the nations' friendship. These trees were planted in Washington, D.C., and another 3,800 gifted trees were also taken there in 1956. These sakura trees continue to be a popular tourist attraction, and every year, the National Cherry Blossom Festival takes place when they bloom in early Spring.
(Source: http://simple.wikipedia.org/wiki/Hanami)

Find and underline the words which have the following meaning.
(a) an area of land that is controlled by its own government, president, king etc
(b) liked by a lot of people
(c) a special occasion when people celebrate something such as a religious event, and
there is often a public holiday