【書評】「未来を語る高校」が生き残る―アクティブラーニング・ブームのその先へ

立教大学に移られた中原淳さんが監修の本。6月10日に注文した。

未来を育てるマナビラボにおける4年間のプロジェクトのまとめとしての3冊目の本。アクティブラーニングの広がりを数値的に捉えて、さらにそれを進めるためのカリキュラムマネジメント(カリマネ)の重要性が説かれている。

「学校教育目標の実現に向けて、教育課程を編成・実施・評価・改善していくこと」と文科省に定義されているカリキュラムマネジメントでは、

  • 教科・科目横断的、統合的な取り組み
  • 目標達成に向けたPDCAサイクルの推進
  • 学校内外のリソース活用

が大きな3つの柱とされている。

本書では、これらに各学校がどのように取り組み、また問題点はどこにあるかということを全国から集められたデータとともに示しており、説得力がある。例えば、アクティブラーニングに取り組んでいる学校の割合やカリマネに誰が取り組んでいるのかなどが示されているので興味深い。

端的に言えば、本書は自分の勤務校の「次の一手」をどのようにすべきか考えるヒントを示してくれていると言えるだろう。また、前述したように、アクティブラーニングが「主体的、対話的で深い学び」と言葉を変えている今だからこそ、カリマネの重要性を示唆するこの本が示していることを考えるべきだと思われる。

また高校教育の「これから」として4点が示されている。特に高校が「接続機関」としてどうなるべきかということと「学習者集団の特徴や習熟、成長のプロセスを測る質的な評価の確立と、そうした評価に基づくマネジメント」の必要性ということが特に心に残る。

アクティブラーニング・ブームを超えて生き残る高校は、学びの問い直しに取り組み続けていく高校である。それは、「自分(たち)の教育活動の社会的意義を、自分(たち)で語れる学校」であり、「自ら未来を語り、自ら未来を切りひらいていく学校」であると言えるだろう(本書 p.186)

「自ら未来を語り、自ら未来を切りひらいていく学校」になれているかどうか、また問い続けていきたい。

Text Inspectorについて

CambridgeのText Inspectorは500語まで、テキストに含まれる単語がCEFRのどのレベルか分かるサイトで、とても便利です。

どのように便利かというと、テキストに含まれる語を

  • 「これは書けるレベルまで覚えさせたいな」(例えばA2など)
  • 「これは意味が分かればいいな」(例えばB1など)
  • 「これは注レベルだな(C2など)」

などと分けることが可能になります。

そのサイトはこちら(English Profileの中に含まれていますが、なぜかEnglish Profileのサイトからいくと動きません)。
languageresearch.cambridge.org

実際、WikipediaのSimple Englishの記事「Boston Tea Party」を入力すると以下のように結果が示されます。

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Text Inspector 1

さらにその下に行き、各レベルのshow wordsを押すと、テキストに含まれる各レベル(B2、C1など)の単語を示してくれます。

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Text Inspector 2

これを使えば、前述したように生徒のレベルによって

  • 「これは書けるレベルまで覚えさせたいな」(例えばA2など)
  • 「これは意味が分かればいいな」(例えばB1など)
  • 「これは注レベルだな(C2など)」

などと分けることが可能になります。

ただし、同じ語でも品詞によってCEFRのレベルは異なること、また特定の話題において頻度が高ければ、別にC2でも生徒には簡単になる。そのあたりの匙加減は教員が行うことが必要なことに留意して使いたいですね。

Fontの設定について

Fontの設定について、地元の新聞に投稿しました。お陰様でだいぶ職場や知り合いに関心を持っていただけたようです。

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南日本新聞(2019.06.11)

もともとは下記のサイトがヒントになりました。
nlab.itmedia.co.jp


実はこの話には続きがあって、英語については下記のページが参考になります。この次のページの隠れ識字障害についても知っておくべきことかもしれませんね。
nlab.itmedia.co.jp



新聞の投稿には宣伝になるので、具体的なフォント名まで書けませんでしたが、ユニバーサルデザインのFontとは、実際にはモリサワのUDデジタル教科書体を意味していて、英語については、Sassoonを考えています。Windows10であれば、すでにモリサワのUDデジタル教科書体はインストールされているので使える状態にあります。筆者のMacについても、Office365なので、Wordでは使えるようです(ただKeynoteではこのFontは出てこないので、自分で購入する必要がある)。

Sassoonについては、ダウンロード版もありますが、購入する方法もあります。Sassoonとは専門家であるSassoon博士の名前から取られています。ちょっと調べたところでは、ダウンロードは以下からできるようですね。ただ開発には時間がかかっていると思いますので、購入した方がいいかなと思います。
www.wfonts.com

投稿にも書いたとおり、子供たちが目に触れるものについてのデザイン性についても、さらに理解を深めていきたいと考えています。

あけましておめでとうございます。

あけましておめでとうございます。
まだ年賀状を書き終わっていませんが、今日はがんばりたい。
とりあえず、このエントリは広告を消すために書いています(^^;

今年もよろしくお願いします。

しましま通信 No.1

今年から「しましま通信」はじめました。ぱちぱちぱち。
以下は第1号です。配信希望の方はメールください。
こちらのブログには1週間遅れで載せていきますね。

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【しましま通信】(2018/1/3)
堀田隆一氏『英語の「なぜ?」に答える  はじめての英語史』書評
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あけましておめでとうございます。有嶋です。

しましま通信配信希望ありがとうございます。購読希望
出してねって言ったら、「購読」はお金をとるやつですよ!と
言われました。なるほど。というわけで「配信」です。

不定期に、できれば2週間に一度程度は出したいと思っています
ので、よろしくお願いします。
(不必要な方はメールで「通信不要」とお伝えください)

今回の話題は、堀田隆一氏の「英語の「なぜ?」に答える 
はじめての英語史」の書評です。この本は研究社の本の紹介の
パンフレットを見て、買いました。いや、面白かったです。
いろいろと話題が豊富な本なのですが、例えば以下のものが
興味深く感じました。

(1) 名前動後について

よく発音についてrecordなどは名前動後と言われますが、なぜ
名前動後は強調されるのかということについても情報が載っています。

名詞・動詞をあわせもつ2音節語を筆者が辞書から取り出して
分類すると名前動後は235(17.8%)だそうです。少ない語はsalienceが
高いので覚えやすいので、名前動後を覚えるように授業では
強調されてきたのでしょうね。

(2) なぜ、footの複数形がfeetなのか。(p.65)

これ、僕はずっと、どっちがどっちなのか分からなくなることが
多かった単語です。説明は本誌をよんでいただくとして、
同じ変遷を経た語に man - men / woman - women が載っており
同じように複数形はe(発音は本来は i )だと説明があって
ようやく覚えられました。よかったです。

また、p64にはchildに複数形を表すreがまずつき、それから
しばらくたってからさらに複数形を表すnがついて今の形に
なったとありました。chird-re-nなのですが、日本語の子-ども-たち
と同じように複数形を表す語尾が二つついているのと偶然にも
同じというのが楽しかったです。個人的には、今は味噌汁を
表す「おみおつけ」(御御御付け)が同じ意の接頭辞・接尾辞の
複数ついた中では最高だとおもっています(次点はおみくじ)

(3) -lyについて

  • lyは副詞を作ると一般的に思われていますが、実は形容詞にも

なります(friendly gesture等)。実は -ly は -like と同じ語源と
載っており、これも楽しいです(p.79)。なぜそんなことになったのか
という説明も載っていますが、-lyがついて副詞があっても、
もともとの語も副詞になりうる語も載っていて、それも
楽しいです。(late / latelyなど)

          ☆

他にもなぜfive-fifthなのか。三単現のsはなぜあるのか、など
生徒が興味を引きそうなことが載っています。もしよかったら
ぜひお読みください。僕は楽しかったです。

堀田隆一氏の「英語の「なぜ?」に答える はじめての英語史」
http://amzn.to/2lJ9z7u

アマゾンレビューを見てみましたが、評価も高かったです。
ではまた! 

Taboo Speaking

[覚書] Taboo SpeakingはDefinition gameの1つ。定義に使えない語を3つ示して定義をさせる。

出典はBusy teachers(Taboo Speaking Game Basic)。二人組でじゃんけんをさせて,一人が黒板またはPPTをみて単語の説明をする。そのときに使ってはいけない語を指定する。例では,waterを説明するときにsee, blue, oceanを「使ってはならない」語としている。

これとPREPを組み合わせるといい感じ。

18 till I die

帰省したこと

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久しぶりに家族での帰省中,綺麗な夕日に気づいて撮った1枚。


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桜島も綺麗です。


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荒平天神で子ども達は海に入って遊んでました。えっと,今,冬だよね・・・?



タイトルは久しぶりに聞いた例の曲から。今,聞いてもかっこいいっす。