「創造的思考力を育てる書かない小論文指導」を読まない。

題は冗談です(笑)。「創造的思考力を育てる書かない小論文指導」読了。リクルートのCareer Guidanceに載っていた神崎氏の記事。下のリンクから読むことができる。ちょうど、論理性についてどう教えるか考えている時だったので、タイムリー。

個人的には、第3回ぐらいから面白くなった。第3回のキーワードはバックキャスティング、テトラッド。そして第4回は、「知ってるつもり 無知の科学」、第5回はシステム思考、最終回は因果ループ図、スペキュラティブデザイン、アブダクション仮説と訳のわからない用語でいっぱいだが、システム思考につながる用語。つまり、この連載では小論文指導とあわせてシステム思考についても情報を得られる。小論文指導といっても、大人に関して言えば、それを活用して問題解決に当たれるので、知って損はない。それぞれちょっと感想を述べます。

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第3回

第3回のキーワードはバックキャスティング、テトラッド。バックキャスティングはバックワード・デザインと教育の世界で読んでいる概念と近いと感じたが、もう少し、レジストリが広い感じがする。なるほどと参考になったのは、こちらこちら。なお、このシリーズを通じてロゴを使ったワークが出てくるが、ファシリテーター講座が40万円と書いてあったので驚いた(^^;。

テトラッドは、様々な意味をもつ用語だが、ここではマクルーハンの提唱した言葉。ディベートやディスカッションにも役に立つ思考ツールなので、覚えておいて損はない。また文中での説明と比喩も分かりやすい(紹介されているマクルーハンの本は、カーリルで鹿児島大学の図書館の蔵書を確認)。テトラッドについて知りたければ、今なら「今こそ読みたいマクルーハン」がAmazon Unlimitedで無料で読めるのでいいかもしれない(まだ読んでない)。

第4回

第4回は、「知ってるつもり 無知の科学」by スローマン&ファーンバック(カーリルリンク)。高校生が「「感情」「感覚」で物事をとらえがち」「「自分は追い詰められている」と誤解する」などと書かれているが、その通りだと感じた。反駁をどう高校生に学ばせるか、という視点からの学習指導例は卓越している。また、これを英語の授業で扱いたいと考えていたら、荒木先生がロールプレイですごい授業をされていた。

第5回

システム思考だが、パターンを読みこみ、そのパターンを生み出す構造について思いを馳せ、さらに考え方についてもメタ的に考えるということ。これも学習指導例は卓越している。浅い思考がなぜ浅く、深い思考へとつながらないのか、ピーターセンゲの「氷山の一角」も交えながら説明。システム施工については、こちらこちらも参考にできそうだが、やはり本を読まねばダメかもしれない。掲載されている学習指導例も第4回と同じくとても参考になる。

最終回

因果ループ図、スペキュラティブデザイン、アブダクション仮説と説明が続くが、因果ループ図は思考ツールとして優れており、問題の原因を探るのに使える。また稿の途中では、スペキュラティブデザインが出てくる。こちらもこの3つの概念を学び、システム思考をちゃんと咀嚼して、今当たっている問題に取り組んでいきたい。